「Squid Game/イカゲーム シーズン1 (エピソード1-9)」
巷で話題なので観た.
直近の元ネタだ,とか言われている作品はどれも観たことがない.『バトル・ロワイヤル』も観てない.デスゲーム系?の漫画も読んだことない.
韓国ドラマはほとんど観てない.最近観たのは,,「Binsenjo/ヴィンセンツォ」くらい.
韓国映画はレベル高いなーとは思っている.そんなワタシなので,例によってオマエわかってないなー,な話になると思う.
たった9話なので,毎日複数エピソードをこなして一気に観た.たしかに次が気になる,,ような作りであった.けど,,あんまりなんも残らないかなぁ,,
ということで,イカLove,なかたはスルーで.
==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑)
日本のコンテンツのパクリだとかいう話も聞く.けど,もともとワタシはどれも観たり読んだことがないので,そんな話はしない.
ただの重箱の隅ツツキのみ.笑
韓国ドラマは観ないのだけど,2パターンあるとイメージしてて,1つは美男美女系,もう1つは「イイ顔」系.
イカは,イイ顔系.そこは,信頼できる感じがする.みんなイイ顔してる.
・世界中でヒットとな,,
エンタメの中に格差社会の問題を取り込んでいる,,サブテキストとしてキリスト教のメタファーがあちこちにある,,奥が深い,,というような言説もあるのは承知しているが,,,そこまで深いか? そこまでウェルメイドな話だろうか,,,
Netflixという強力なプラットフォームに乗って,なじみのないデスゲーム系ものが拡散されたから,じゃないのかな.
当然コンテンツ自体の魅力というか,キャッチーな部分はもあるだろう.でも,既視感があるのも否めない.
日本はデスゲーム系は慣れている分野と思うが,他の国はそうでもないのじゃないか,,まずは,このデスゲーム系に単純にやられただけではないのか.
アメリカのある地域では,学校で,イカを観るな,というお達しが出たとか,,つまり,いままで,デスゲーム系があったのなら,そういうお達しは出ないだろう,,
ほとんどの地域では,わかりやすくデスゲーム系の話が提供されたのは初めてだった,,それゆえの,出落ち的なインパクトでヒットしている,ということじゃなかろうか.
もちろん,ただ,殺し合いやってるだけじゃなくて,格差,差別,がわかりやすーーく,問題提示されているのもミソではある.
・もやもやするところ
確かに,みながみな,絶望して金が必要な状況になってはいる.が,,最初のゲームを通じて,命を賭してのゲームと気づく.
つまり,
a)最終勝者になって金をゲット → 他の参加者全員の死を意味する
b)死ぬ
c)途中でやめて無一文で元の生活に戻る(参加者過半数の同意が必要)
このいずれかしない.
コレがわかった上で参加し直す.c)は途中で仕方なく選ばれるもので,基本,a)かb)だ.
つまり殺すか殺されるか,となっている.
そこまでの究極の選択なのに,大切なもののために参加,というロジックがどうもしっくりこない.
ギフンはたしかに金が要る.守るべき大切な母(親権をとりたい娘),,その状況で,死ぬか金か,という選択になるか??
死ねば,大切な人はより不安定になるのに,,
セビョクは,少なくとも幼い弟が居る.その子を残して死ぬことを考えるだろうか,,
そう思うと,ヤクザ者のドクスは,自分だけのため,だし,外の世界では常に命を狙われるので,参加するのは納得性がある.
逆に,生きる希望がまったくないジヨンも参加する理由はもっとも.
そこを突っ込むな,というのはわかるが,,このドラマが深いと言われているところと整合性がイマイチだと思うので気になるのだ.
ゲームに参加,は全員殺すか,自分が死ぬか,を意味している.その状況で,他の参加者のことを思いやれる,というのは,あまりに嘘くさくないか.
ジヨンは自分は希望がないのに,セビョクは希望がある,なので,わざとビー玉ゲームで負ける,というのは,よくわかる.きっとそうくるんだろうな,と思っていた.
ただ,ほとんどの参加者は,自分は死ねない(=相手を殺す),のだ.つまり,[相手を思いやる]と[自己中心的になる]の間がなく,トレードオフがない設定だから,無理があると思うのだ.
自分が死ぬか相手が死ぬかの二択なのに自分以外を慮る振る舞いすべてがもやもやする.
例えば,,1人のみが勝つのではなく,生き残ったもので賞金は山分け,という設定にして,単に山分けでなくて,複数の生き残りがいる場合は,まず,賞金全体が,極端に減らされて,その後,等分される,とかにすれば良いと思うのだ.
ある参加者はどうしても,1,000万ウォンを持って帰る必要がある.が,5名生き残ると賞金はそれに届かず,3名の生き残りだと1,000万ウォンに届く,,というように,自己中になるかどうか,と,生き残って得られる賞金のトレードオフが存在するようにすれば,いろんな悩みがよりリアルになると思ったのだ.
こんなことにすれば,シンプルさは失われるけど,,,今のままだと観てる間中,ずっとリアリティがなさすぎ,,と思ってしまったのは事実.
ただ,良いルールがあって,c)で皆がやめることを選んだとき,賞金は死んだ者の残された家族にいくという.これなら,自分が死んだとしても,自分の大切な人にお金を残すことはできる.ただ,死後のことのコントロールはデキないので,死ぬ時に演説をぶって,皆にゲームをやめさせるような流れはありうるか,と思っていた.
セビョクは,最後,ギフンに,生き残ったものが死んだ者の大切な人の面倒を見る,という約束をさせていた.そう,これ,めちゃ納得のできるやりとりだった.
・鉄則
実際に死ぬシーンがないものは生きてる.みんな知ってる鉄則.
ミニョは,ペアが見つけられなくて,どっかに連れて行かれたけど,,不戦勝だった.
イルナムは,塀の向こうで殺された風だったが,黒幕の一人なので生きていた.
おそらくシーズン2は製作されることになり,今回人気が出たセビョクが復活する.死んだと思われていたが,虫の息のまま例のファンシーな棺桶に入れられ,棺桶に十字架マークが施され,火葬場で,底が開いて,別の場所に移され,,いろいろあって生き延びた,,ということになるはず.
当然,兄のフロントマンに撃たれて崖から落ちたジュノは海で漂っているところを,たまたま通りかかった漁師に救われ,,一命を取り留める,,そうなるな.(妄想)
・イルナム
死んでないな,,とは思ってたけど最後にあんなふうに出てくるところまでは予想しなかった.
けどなー,,あのじいさんは,ゲームで死んでもいいと思ってたとしか思えない.
彼は,一応,4番目のビー玉の戦いで消えていた.処刑者が間違いなく指示を受けていれば,殺すフリ,殺されたフリで,命は安泰だ.しかし,3番目の綱引きではどうだ,,あれは自分でまったくコントロールできない.あの綱引きで生き残ったのは全体的にみて運が良かっただけだ.
・Front Man
ジュノが,リストで自分の兄が優勝者になっていることを知り,Front Manが,偽のジュノの死体と,警察手帳をじーーーーっと見つめていた描写から,ほとんどの人は,Front Manが兄貴だな,と思ってたはず.
バックグラウンドの話はシーズン2に持ち越しか.こんだけのヒットシリーズの2シーズンなら,イ・ビョンホンでも出てくれるのでは,,
・5番目のゲーム(石飛?)
元ガラス工だったというおっさんが,音でわかるからなにか投げるものをかせ,と.それで,ビー玉が登場するのだが,なんで投げるの,と思ってしまった.
自分の横のガラスは割れるやつだから,そこに落として音を聞けよ,,もしくは,後ろに向かってどこかのガラスに投げて,その音を聞けよ,,後ろのものにビー玉をキャッチしてもらえばいいやん.
すくなくとも,さっと投げてしまうのは頭が悪すぎる,,
・赤毛の意味
最後ギフンは髪を赤に染める.美容室で赤毛のポスターを見たから,という描写だが, ,,赤はゲームの際の運営側の兵隊の色をどうしても思い出させるし,そもそも,最初のキャッチで,メンコ(関西ではベッタンともいう)で青を選んでいたのに,最後に赤,,ゲーム運営側に行ったのか,,とも.
『Matrix』でも,青と赤の選択が出てくる.世界の本当の姿を知るために,Neoは赤,を選ぶ.
けどなー,赤毛に意味をもたせたいなら,ポスターを見て,のシーンは余計だと思うけどな,,
メルモちゃんでは赤のキャンディだと,どんどん小さくなっていく,,ま,,全く関係のない話でした,,
・ルネ・マルグリットとジャック・ラカン
ジュノの兄(Front Man)の部屋(ノーマルな世界の方)にジュノが入ると,これみよがしに,マルグリットの本とラカンの本が映る.ふつー,こう映ると何かしら意味があるものだが,,なんだろう.
マルグリットはシュールリアリズムの画家の中でもポピュラーで人気な気がする.表紙は光の帝国(代表作)か,,ラカンは,なんだ,,現代思想の難しい人,くらいしか知らん,,
格差がどうのって浅い論考より,この2人と物語のつながりを考察したほうがずっとかっこいい論考がデキそうよ.
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