「 Dinner In America/ディナー・イン・アメリカ」
タイトルだけみて,一番最初に浮かんだのが『ティファニーで朝食を』のもじりかな,,と思ったが,全然違ったわ.
映画中,4つの dinner in america が出てくる.本来,幸せの象徴のような,家族集まってのちゃんとした食事,団らんの場,,が地獄になるという人たち.
そんな,ハグレ者女 meets 別のハグレ者男 物語.
プロットだけ見るとどっかで何回も見聞きしたような流れだが,よかったです.ほんと.
==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑
・ディナー
文字通りのディナーシーンは4回ある.
● 治験のバイト先で知り合った女性Bethの家でのディナー.
父と息子はフットボールに熱中.母親はやや,,欲求不満気味.どちらかというと一番母親がなじめてない(がんばって良い母親を演じている風)感じ.母親はキッチンドリンカーっぽい.
が,,問題,は顕在化していない感じ.
● Pattyの家でのディナー
弟のKevinは反抗期っぽくなっているが,20歳になってもロックコンサートに行く許可をくれない親に,強くは反抗しないPatty.
そのように育てられてきたということで,過保護家庭ということか.
まだ,親に押さえつけられている感じ.そう,積極的に拒絶されてはいないが,一方的な関係だ.
● Pattyの家でのディナー w/Simon
Kevinは直感的に,Simonのことを訝しむが,家族はころっとKevinの嘘にだまされる.親は基本的にいい人たちなんだろう.
● Simonの家野でのディナー w/Patty
ちゃんとした家族が揃って,もう自分たちとは違うKevinを除け者にする.もう修復が簡単にはできないレベルの溝ができており,Simonも取り繕うとはしない.
ここでは,明確にSimonは拒絶されている.
ただ,はじめてPattyは,Simonを養護するために口ごたえをする.
タイトルからしてディナーシーンになにか込められていると思うので,ざっと挙げてみたが,,なんだろ,,わからん.笑
いずれも,遠目には,ほんとに家族が揃い,ちゃんとしたディナーだ.
時代設定は80年代の後半くらいだと思う(テープ,アナログレコードしか映ってない).レーガンが保守的な家族の価値を標榜して数年経っている時代設定じゃないかと.
だから,その時代の理想的なアメリカでのディナーシーンだと思うのだ.でも,そのテーブルの雰囲気は理想的なものではない.
共通するのは,楽しいはずのディナー(一家団欒)ってのが楽しくない人がいるということか.生きるために必ずしないといけない食事,で縛られていてはいるが,針のむしろのような居心地の悪い 場,
もしくは偽善に満ちた場で,居づらい人もいる,ということか.偽善とは言いすぎか,,Bethの家族はそうだった.
Pattyの家族は,偽善とは違って,知らない間に,子供を締め付けていた,という例か.また,Simonの家族は,互いに違うものを受け入れないという状況.
それがアメリカのディナーだ(った),ということなのか.
・フランケンシュタイン
これは,まったく,ほんの少し頭をかすめただけの話.
フランケンシュタイン関係の映画で観たことがあるのは『Frankenstein(1994)』,『Flesh For Frankenstin(1973)』くらい,,前者は結構正統派で,後者は,,なんというか,,,メアリー・シェリーも怒ってるんじゃないか,という,,笑
で,前者で印象的なのは,怪物(フランケンシュタインは怪物を創り出した博士の名前)が燃える家(小屋)の前に立つシーン.
以来,燃える家の前に立つ男,というと自動的にフランケンシュタインを思い出す.笑
SimonはBethの家の生け垣を燃やして,一瞬仁王立ちし,そして,,逃げる.自分のようなはみ出しものを創り出した社会に復讐だ!! とかいう流れかな,,とおもったらそんなのではなかった,,,
・kissをかけたバスケットボール
シュートが決まったらキスさせろ,というSimon.いいわ,とこたえるPatty.
Simonのシュートの構えはそこそこさまになっている.が,,残念,シュートは外れる.
でも,,ある程度のスローができるものなら,コースは外さない.まっすぐは投げれるもんだ.問題は距離だ.なのに明らかに,コースが左にずれていた.
だから,,Simonは,わざと外したんだろうな,と.
・Patty
若いときの左とんぺい,,のような,,ルックス.
Simonに,メガネを外せ,髪を下ろせ,頭を振れ,,で,みるみるうちに美人に!!!! ,,,ならない,,,ならないところがイイ,と思った.笑
このシークエンスで有名な映画はいくらでもあるだろうけど,たとえば,『The Big Sleep/大いなる眠り』の図書館員がメガネをとり,髪を下ろすシーン.このときの破壊力はすごい.笑 (実際は,元からすげー美人なんだけど,,)
最近(でもないけど)では,『Rocky/ロッキー』のエイドリアンだろうか.
・Jhon Q
もろにそのタイトルの映画があった.デンゼル・ワシントンのやつね,,今ひとつ乗れなかった記憶だが,なんか関係あるのだろうか.
・ハグレ者女 meets 別のハグレ者男
Pattyは,ハグレ者になりたくてもなれなかった.疑似体験するためにSimonのバンドの曲を聞いていた.何段感だと押さえつけられて,育ち,更に,,自分で何がやりたいとかも思わないようになってしまっていた.半分は自分のせい,半分は親の教育のせいだろう(すくなくとも).
孤独すぎて,いじめられてても,何も感じないくらいになってた感じ.Simonと過ごすうちに,元バイト先の親父に好きなこと言ったり,Simonの家でのディナー時のSimonへのひどい仕打ちに怒ったりもする.自我の目覚めなんかな.
Simonのほうは,,やっぱり,家族への反抗がpunkの根源か.歌い続けることで発散していたのだろう.
Pattyのと出会いはなんだったのか,初めて,共感できる相手だったのか.
昨日は,昨日が最良の日,といったけど,今日のほうがもっといい日,とSimonに言うPatty.もう,これは,昨日より,今日,今日より明日は,もっとよくなる,という最高に希望に満ちた感覚だろう.
なんか最後は,『Endless Love』や,『The Crying Game』みたいになったけど,Pattyは前に進んだ,な.こじらせがつよくなったのかもしれないが,,
Stay Punk!!
いい映画でした.
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