「The Dropout S1E3/ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女 シーズン1 エピソード3」
実話ベースであることはわかったが,ドラマ,として楽しみたいのでどんな事件だったかは敢えて調べていない.
この話,ワタシの人生とかぶるところはなんもないのに,やたらヒリヒリして観ている.
嘘に嘘を重ねてしまう感じ,自分の化けの皮が剥がれていく感じ? 調子悪いときにうなされて見る悪夢のようなイメージ,,,
手段が目的と変わっていく,,会社は,世の中のためになるものを生み出す手段だったのに,,目的になっていく.
当初のビジョン(昔からの仲間)はなくなり,,道を見失いかけているElizabethは,次のフェーズへと進む.
==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑)
2007年 ElizabethはAppleからボードメンバ,iPhoneデザイナを引き抜く.
依然,Sunnyとは一緒にいるが,Elizabethは仕事のことばかり考えている.
母の友人の夫Richardが,特許を取得し,Elizabethにライセンスオファーをしてくる.
ボードメンバに契約状況,プロトタイプの開発状況を聞かれても,曖昧な返事ではぐらかした.実は何一つうまくいってなかった.
そんな中,動かないプロトタイプを持って,臨床実験にナッシュビルまで出かける ElizabethとEdmond.Edmond は死を待つのみのがん患者の前で心を痛めた.
会社は各部門のセキュリティが強化され,自由な雰囲気が損なわれていく.また,Elizabethの一存で,ビジョンとはかけ離れたプロトタイプを作るエンジニアまで雇われているようだ.
Appleから引き抜かれたAvieは,会社の実情をDonに進言するものの,逆にクビにされてしまう.
Edmondが会社を去り,Appleから引き抜いたデザイナもチームごと会社を去った.
Donがついに現状を把握,ボードメンバを招集し,Elizabethの解任の動議を出した.
ボードミーティングの場で,自分には経験豊かな人間のサポートが必要だと認め,友人が2,000万ドル投資してCOOになってくれる.ただし,自分がCEOであるのが条件だ,とつたえる.
Sunnyはその話に乗った.
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・iPhone ... Steve Jobs
2007年6月 Elizabeth,SunnyはiPhoneに熱狂していた.他の人は,まだ,なにそれ?という状態.おそらく,北米では Blackberryが幅を利かせていて,ElizabethもSunnyもフルキーボードの端末を使っていた.
.1月に発表して半年待ってやっとの発売.
ワタシのまわりのアップル信者の友人はいつ日本に来るか,とその話ばかりしていた.ワタシは全く興味がなかったのでスルーしていたが,今回の冒頭を見て思い出したなぁ,,
また,ElizabethはZuckerbergをすごい人,として話題にしているが,当時,,もうFacebookはすごい存在だったのだろうか,,,いまだにFacebook(現Meta)によりつきもしないワタシは,,わからない,,
あこがれの対象として,ずっとSteve Jobsが出てくる.彼は,Elizabethがちらっと心配したように,1985年に自分が創業した会社から追い出されている.そして,業績不振のAppleに1996年に復帰し,矢継ぎ早に改革をしてAppleを立ち直らせた.
まぁ,,このあたりはボードメンバの入れ替わりを含めて,めちゃドラマである.
iMac,iPodと連発し,2005年の例のStanford大学での卒業式の祝のスピーチで,ほんとに神の領域に到達した感がある.
ドラマの時間軸が2007年なので,確かに,Jobs全盛だ.
・Prius
iPhoneには熱狂したSunnyもPriusは,なんだそれ,という感じだった.でも,2003年のアカデミー賞でスターたちが,ワタシ環境に配慮してます! アピールでこぞって乗り付けたときから,それなりに知る人ぞ知る車だったはず.2007年でSunnyが知らなかったとしたら,やっぱり車はランボルギーニだぜ,という,old fashionな考えだったということか.
・ライセンスオファー
特許訴訟は,まず,,普通はライセンスオファーから始まる.ワタシの特許に興味あるんじゃないですか? とくる.大抵は無視する.で,,(相手が本気だと)しばらくすると,提訴される,,
Elizabethが秘書から見せられるレターは,その最初のフェーズだ.ただ,,この場合は訴訟にはならない.なぜなら,,まだ,製品を販売してなければ,製造もしていない状態なので,特許侵害がありえない状況だから.
なので,このRichardからのメールは,まぁ,,純粋にお前が欲しがるような技術はオレが持ってる(特許で守られている),だから,オレの特許を買え(ライセンスを取れ),という意味合いだ.
ただ,,こんなレターを受け取ったことはないが,変だなと思うところ2箇所.
I have recently filed a patent (#7,824,61),, で始まるのだが,普通,file は提出とか出願,の意味で,特許が登録されたという意味ではない(と思う).
単に,オレ,こんな特許出願したから,,ということでレターを出してくるやつはいない.ちゃんと登録されてからこいよ,となるだけだから.登録までは,幅はあるが普通にしていれば2年くらいかかるのじゃないかな,,
あと,数字.この体裁だとこれは特許番号になるはず.で,この時期の特許なら7桁だ.だから数字が1足りない.
そもそも,数字は下から3つづつ区切るのに,,おかしいだろ,,,スタッフもっとちゃんとチェックしろ,,笑
最後,ElizabethはRichardを提訴しているが,どういう理由で?だろ,,まっとうにやっているなら,Richardの会社の製品が特許侵害をしている,,などといって,だろうか.
当然そんな特許は持っていないはずなので,「買った」のかもしれない.そういうやり方もあるにはある.
話の中では,Richardが提訴される理由がまったくわからない.
・Edmond
Edmondはある意味,Elizabethの初心を体現するような人だった.彼がクビになったのか,全く違うプロトタイプを見せられてやる気がなくなって自分で辞めたのか,,定かでないが,箱を持って,自分の荷物を持ってセキュリティに囲まれて会社を出ていく,,よく映画で見る.
が,,北米で働く同僚に聞くと本当にあんな感じだと言う.クビで退職と決まった時点で,会社の情報にアクセスできなくなる,とか,はホントだと言っていた.
・機種交換 データ移行
Elizabethは,自分のiPhoneを机に叩きつけて壊してしまう.これはDonにお前にはまだ早い,と言われて激高してのことなのか,,わからないが,結局,Apple Storeに交換を願い出る.
もう使えない,ということで,新しい機体を出してもらうとともに,データの移行をしてもらう.が,,,何らかの理由でデータ移行に失敗した.AppleのiOSはこの作業がとても簡単だということで人気だ.
物語では,Elizabethは,徐々に初心が薄れていく,,昔からの仲間Edmondを失う,もう取り戻せない状態,,(人材資産)データの移行ができない,,それとの対比なんだろう.
かっこよく言えば,心機一転,まっさらになってがんばります,というところだが,その実,さらに闇落ちする決心だったのかも.
このあと,ボードミーティングでの発言につながる.
・Elizabethのモチベーション
もとからすごい野心家,ビッグになりたい病,だったのか,もとはとにかく早く人のためになりたい,というようなピュアな志だったのか今ひとつわからない,と書いた.
だが,今までの流れを見ていると,後者,つまり,最初は純粋に人のためになにかしたくて,,というスタンスだったのが,徐々におかしくなっていく,,ということのようだ.
ろくに何もしてないのに特許の発明者に名を連ねている,というIanのつぶやきから,最初から道を外していた,と理解できるとも書いた.が,,これは特許のことを知らないとわからないことであり,上のように解釈させようとするのは無理がある.
Ianのつぶやきは,他の描写も含めて,Elizabethは,最初から技術がわかっていなかった,ということを示したかったのだと考え直した.
ということで,やはり,最初は,青雲の志,だったのだろう,,
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