「Belfast/ベルファスト」
パーティでのダンスシーン,,ここで,ハッピー指数はメーター振り切れた感じ.笑
アカデミー賞のノミネートがすごい.作品賞、監督賞ほか計7部門だとか.どれだけとるんだろうか,,(これ書いているのは2022/02/23)
監督Kenneth Branagh の幼少期の半自伝的映画,,とか紹介されている.
作中の主人公の子供の年齢は9歳.その子視点での世界=家族,近隣のご近所さん,学校,,の日常が語られる.
ノミネートの状態を考えると,多くの人の共感を得たのだと思うけど,,それはどの辺りなんだろうか,,うーん,,似たような経験をした,ということなのか,もちろん,ある程度の大人なら,状況を理解して,察して,十分に感情移入することはあるだろう.
そういう作りになっているということなのか.
アイルランドのベルファストでの話.純粋日本人のワタシには共通する地域性は何もない.作中出てくる暴力衝突に発展しそうな宗教的な対立も基本的にはない.
が,,,確かに,,不思議なことに,めちゃくちゃ多幸感に溢れている映画だった.少なくとも,そういう感じがした.
子供の笑顔がキーかなぁ,,子供の頃,,(家族,近所の人に守られて)無敵だったよなー,,,(しみじみ)
==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑
・誰にでもありそうな共感ポイント
学校で気になるあの娘.近い席に座りたい,,
近所の子供達と家の前ではしゃいで遊ぶ.
きれいなやさしい(でも,厳しくもある)ママ
親とは違う?じいちゃん,ばあちゃん.
胸をときめかせて観た映画(映画館,テレビ),演劇
家族の喪失
世界のすべて,だった,生まれ故郷を離れる,,
などがあるかな,,けど,これだけでたくさんの支持(ノミネーション)を受けることができるんだろうか,,
やっぱり作り手の演出なんかがあるのだろうけど,それがなんなのかさっぱりわからない.(ワタシは十分マジックにかけられているけど,,)
ずるいといえば,,ずるい.笑 鉄板ネタだからだ.
・ママ
いや,もう,ステキすぎるだろ,,笑 (おっさんの感想)
『Ford v Ferrari』で,Christian Baleが演じていた Miles の奥さんを演じていた.その時も,出番は殆どないのに,なんて立ち姿がきれいなんだ,,と思った人.
今回も,時代もあって,ミニスカートで,めちゃくちゃキレイ.
子供が理想化してみる母親としては,もう最高.笑
最後のパーティシーンでの,全カット,素晴らしい!!!
アカデミー会員の男性陣はこのママのおかげで投票するんじゃないだろうか.
(実は,,パパも相当イケメンなんだけど,,も,,)
・パパ
あの映画を教育映画というところ,,好きだ.笑
だめなところもあるけど,家族のことを思ってる,いいパパだ.
主人公が,Catherinはカトリックだけど,僕たちに将来ある?って聞いたら,宗教なんて関係ない,彼女が親切でフェアで,お前たちが尊敬しあっているなら,ウェルカムだって,,ほんまにこんなこと言うかね,,9歳の子に.
これは映画用のメッセージ台詞じゃないのか,,
主人公が,じいちゃんに算数を教わった.パパも教わったの? とパパに聞く.パパは,そうだよ,とこたえる.
じいちゃんは算数のことで,正解は一つじゃない,どれかだけが正解じゃないこともある,と教えていた.パパもそんなことをじいちゃんから教わったのかもしれない.
・じいちゃん,ばあちゃん
人生を,親とは別の角度で教えてくれる存在.これもよくあるパターンかなと.
Ciaran Hinds と Judi Dench.画面上にいるだけで存在感ある二人を配役.Kenneth Branaghにとって,じいちゃん,ばあちゃんは大きい存在だっただろな.
じいちゃんは,計算ドリルの答え合わせを頼んできた主人公に言う.
数字をはっきり書くな.何通りかに見えるあいまいな書き方にしろ.笑 そしたら,先生が,いいように考えて正解としてくれるかも,,,って,,
主人公が反論して,それってズルじゃないの? 正解は一つじゃないの? というと,,
じいちゃんは,「正解が一つ,だったら,人は自分たちの町を破壊したりしないよ」とこたえる.
あきらかに,,当時カトリックとプロテスタントで揉めて,事件沙汰になっていた街の様子を語っている.
どっちか「だけ」が正しいんじゃない,,
いい例えだが,,数学(自然科学)でやってはいかん,,笑
またまた,じいちゃん.外国に言ったら言葉が通じない,,と心配する主人公に,じいちゃんは,そんなの問題じゃない,ばあさんと50年くらい一緒に暮らしているが,ばあさんが言ってくることは未だに一言も理解できない(!),,とすごい回答.
もし,,相手が理解できないのだとしたら,相手が聞いていないのであって,それはオマエでなくて相手の問題だ,,とじいちゃん.
・映画 in 映画
『One Million Years B.C./恐竜100万年 』
家族で見てたぞ,,笑
パパが教育映画だな,,って.で,ママが Raquel Welchが,,,と返す.笑笑
ウケた.
『The Man Who Shot Liberty Valance/リバティ・バランスを射った男』
これは,ママがパパと電話で口論しているのと並行して,主人公と兄がテレビで観ていた.
文脈がわからないが,,映画の方は,James Stewart と John Wayen のイメージ通りの役柄が,そのまま配役されているような内容で,昔のある事件の真相は,,という流れのもの.
『High Noon/真昼の決闘』
Grace Kelly 美人!!!
以前投獄した悪者が町へ戻ってくるので保安官が皆に助けを求めるが,誰も協力しないので,保安官一人で片付けて,町に愛想を尽かして去っていく,,というJohn Wayneらが猛反発したプロットの西部劇.
主題歌が,あとのシーンで効果的に使われる.たぶん,,映画のクライマックスと,同じ動きになっているのだ,,と思う.
『Chitty Chitty Bang Bang/チキチキバンバン』
上の3本はハリウッド映画と思うけど,,これはどうかな,,これもあんまり文脈はわからないけど,原作者はIan Fleming. といえば,,007.といえば,,Judi Dench,,はたまたまやろかいね,,
映画館で観る映画は,このモノクロ作品の中にあって,きれいなカラー部分になっていた.それだけ,主人公にとって,鮮やかな記憶なんだろう.
映画ではないが,演劇のクリスマスキャロルもカラー部分だった.
Kenneth Branagh はよく,演劇のキャリアも紹介される人.やっぱり子供の頃から,映画,演劇に胸ときめかせてたんだろうな,,と.
ただ,なんで,ハリウッド西部劇なんだ,,笑 アカデミー会員への目配せか? それとも,,,やっぱり,当時からハリウッド映画はアイルランドでも一般に観られていたということなんか.
・決闘?シーン
あの狭いエリアで,プロテスタントのカトリック弾圧派グループのリーダーBillyと対峙する主人公一家.
(パパと兄) と (Billy(人質が主人公,ママ)) + 傍観者 従姉妹
あのシーンは,,曲(ハイヌーン)の力もあって,即座に,脳内で決闘だ,と刷り込まれるが,,実際,あれは,,なんだ?
あのリーダーBillyが,パパをやっつけに来たのか? あのエリアのカトリックの人をやっつけにきたのか???
軍隊?が両側を固めているので,最初から何もできない状態じゃないのか?
Billyは銃を抜きかける.兄Willがブロックをパパにトスし,パパがそれをBillyに投げつける.
Billyがひるんだところを,,,,家族がみんな,主人公を守るように集まる.傍観していた従姉妹もやってくる.
ワタシの脳内では,そこは,ママが,Billyを突き飛ばして,そのスキに皆が集まった,,,という流れに補完されいる.
『High Noon/真昼の決闘』のクライマックス.保安官は敵の最後の一人を追い詰めるが,敵は,自分のフィアンセを人質にとる.保安官は彼女を離せ,というが敵は応じない(ここも,一緒).
しかし,そのフィアンセは,敵を突き飛ばし,敵は保安官に撃たれる.
このシーンをやってると思うのだ.だから,ママはBillyを突き飛ばしたのじゃないか.と.
ただ起こることは,Billyをやっつけるのじゃなくて,主人公を守るために家族が結集する,という違いはあった.
従姉妹が駆け寄ってきたのはどういう意味か,,あの従姉妹はちょいと横道にそれがちであったけど,結局は家族(親戚だけど)に戻ってきた,ということなんか??
・もう一つの『High Noon/真昼の決闘』
『真昼の決闘』は,悪者が来る,町の誰も協力しない,だから,早く町を出よう,というフィアンセに対し,自分は残らないといけない,という保安官の話だった.
一方,こんな物騒なところにいたら子供の未来がない,ということで,パパはこの町を出たがり,この町しか知らない,全員が知り合いの町,を去りたくないママ,,という構図だった.
いずれも,町を出ていくことになる.
保安官は,文字通り,町を救いはしたが,見捨てたも同じ.主人公一家は自分たちのルーツとして,心はいつも戻ってくる場所,として町を見ている.
・ダンスシーン
途中でも家の前で踊るシーンもステキだが,,
パーティ.あれは,,,葬儀の後のパーティなんだろうか.楽しんで故人を偲ぶ,ということなんかな,,
最後のダンスの場面.Everlasting loveに合わせてパパとママと踊るシーン.最高.最高.最高.最高.モノクロで大ヒット曲をあわせて,,ずるい.
素敵すぎます,,
うしろで,かなり年配のじいさんも,踊ってる.胡散臭い感じがした牧師さんもにこやかに座っている.
仲のいい二人を見て,満面の笑みの主人公.じいちゃんが死んでしまったあとだが,あー,しあわせなんだな,と100%思わせてくれる.
・ノスタルジック,,以外の話
宗教対立の話は,今の分断の社会に対するものと容易にわかるが,,さて,ほかにもなにか目配せはあったんだろうか,,,
主人公が通う小学校は,Catherinがカトリックと言ってたので,プロテスタントもカトリックも通っているということで,,あんな物騒な状態じゃなさそうにも思うけど,,どういう加減なんだろうか.
,,結局,,他にも,妙に(なんの教つ点もないのに)ノスタルジーを感じるものや,あー,家族がいて幸せだったんだなー,としみじみ思わせる話が随所にあり,いいもん観たなぁ,,という気にさせられてしまった.
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