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2022年2月17日木曜日

[映画] King Richard/ドリームプラン


「King Richard/ドリームプラン」


  アメリカンドリーム達成! みたいな映画かなと思ったら,そのようでもあるし,そうでもないような.邦題は明らかにアメリカンドリームをイメージさせる.

 原題はKing Richardで,彼女たちの父親がなにかとでしゃばって,仕切るのを揶揄してKingと言われていた,ってことを指しているらしい.子役スターを擁するステージパパ,ママという類か.
  Veuns と Serenaの物語,,,ではなくて,その父さんの物語なんだな.

  どうでもいいけど,,本作のサウンド担当している人に,Richard King,と言う人がいるみたい,,トリビア.笑

 あと,,最初の頃の,Williams家の車,めちゃかっこいい.Prince Hawthorne ってフロントのタイヤカバーには書いてある.カバーの真ん中は,スズキのマークと思うけど,,違うかな.このマイクロバスめちゃほしい.

 ==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑


・ Greatest Love of All
 
 この映画のプロットとWill Smithとくると,漠然と,実話ベースの『The Pursuit of Happyness/幸せのちから』を思い出す.この映画の彼は別に,貧困の中で子育てに苦労してたってことじゃなくて,ビジネスに失敗してただけなんだよな,,ストーリーの本質に変わりはないのかもしれないけど.


  さて,劇中で小学生くらいのVenusたちが「(The) Greatest Love Of All」を歌うシーンがある.ワタシなんかはWhitney Houstonのバージョン(1985年)くらいしか知らないが,もともとはMuhammad Aliの伝記映画の主題歌.
 歌詞の中で Learning to love yourself / It is the greatest love lf all ってのがあって,自分自身を愛すること,それが最高の愛だ,と強烈な自己肯定の内容.

 Aliといえば,人種差別とも真っ向から闘った人.差別されて,自分を好きになれなかったり,自分に自信を持てない人にすごく刺さったのではなかろうか,,

 で,,後年,Ali を演じてオスカー候補になったのがWill Smith.

 なんかつながりを感じました,,,

・ Richard(の子育て)

 VenusとSerenaといえば,もうテニス,というよりスポーツ界,もしかして人類の大スターで,そんな彼女たちを育てた,ということは,大成功の子育てストーリーとなるのかもしれないが,どうなんだろう,,

  彼は,自分が受けたdisrespect を,絶対に娘たちに味あわせたくない,と思っている.彼は,娘たちの尊厳を損なうすべてのものから娘を守ろうとしている.

  そのために,テニスで頑張らせるし,勉強もさせるし,無神経な暴力に対しては間に入って壁となる(vs. チンピラ/vs. 無神経なテレビ局のインタビュア).

 また,人間はほっとくと堕落する,という信念?の持ち主だ.失敗は常に身の回りにあると考えている.
  なので,計画通りすすめることにフォーカスし,常に謙虚でいることを良しとする.

 このあたり,,,教育,しつけとしては,おおいに共感できる気はする.また,常に,計画達成のイメージを肯定的に植え付ける,ということも徹底していて,自分たちはできるんだ,なりたい自分になるんだ,と子どもたちは考えるようになっていく.
  ただ,強迫観念のようなレベルなので,純粋に試合で勝ったことをよろこぶこともままならず,「子供らしく」過ごす,とは真逆かも.また,ポジティブすぎるyou can do it!!も逆にプレッシャーになったかもしれない.

 おそらく,よーし筋トレするぞ,とか決めて,やり始めて,今日は体調悪いってときに,すぱっと中止にできないタイプ.自分に自信がある,やるときはやる,休むときは休む,という風に自分をコントロールできる自信があれば,かんたんに休めると思うのよな.
 つまり,,,Richardのような人は,実はいつも不安で自信がないのじゃないか.

 だから,彼は,Venusの試合をまともには見られない.近くにはいるが背を向けていたりする.妻のOraceneは,失敗(Venusの失敗=自分の失敗)するのが怖いからでしょう,と直球のコメントをする.

   そうなんだよな,,議論なんかでいつも強気ですげーなとか思われている人が実は,ただ,相手の言うことを聞かないで自分の意見を曲げないだけ,という人であることがある.それは弱い証だ.
 本来ならば,いつも,もしかして相手の言うことが正しいのでは,自分の考えよりもっといいアイデアがあるのでは,と自問自答できる人がいい結果に導いてくれるもんだが,そういうふうに行動することは勇気がいる.間違え(失敗)を認めることになるかもしれないからだ.
 そんなことより,はじめから間違えを認めないと決めてかかるほうがずっと楽だが決して良い結果にはならないだろう. 

 Vicarioとの試合で,最後,ついに会場の観客席に姿を表し,失敗(するかもしれない状況)に対峙する.あの場面はRichard自身が一つ壁を超えた瞬間じゃなかろうか.
 
   

  やり方は賛否あると思うが,あの恵まれたフロリダの環境で,しっかりと勉強させる3年間を提供できたのは親として素晴らしいことだと思う.
 単にすごくスポーツができる,金儲けできる,そんな風に育てるのではなく,尊敬されるように,人間としても立派に育てようとしたのは志が高くてすばらしい.(上から目線)

 ただ,Venusが,もう自立した考えをもてるような年になると,逆に,マイナスの親として描かれていた.
 親の保護下で育てばいい時期と,そうではなくて,自律性を育んでいく時期とで,親の接し方も変えていくべきだったのが,そうはなかなかできなかった親だった,,んかな.

 Richardはたしかにすごかった気がする.そして,そんだけ構われていたのに,さらにそこから自立して,自分のこととしてRichardの思いを引き継いだ子どもたちもやっぱりすごい.

 親の頑張りは初期は大切だが,やっぱり最終的には本人たちが自分で自分を動かしていかないとあきませんわな.

 そうそう,,Paulにレッスンしてもらえずともくさらずにがんばった Serena とそれを支えた周りも素晴らしい.

・Venus と Serenaの視点

 製作者にはVenusとSerenaの名前があるので,二人の視点は入ってるだろうけど,父親(Richard)の意見は反映されてるんだろうか,,

  姉妹からの父親へのメッセージは,,なんなんだろう.おかげで立派になりました,,なのか,もうちょっとほかにやり方あったよね,,なのか,,

 オールOK! みたいな感じには見えなかったんよな,,

 だから,,邦題はどうなんだろなーって思った.


・Will Smith

  ちょっといつも目がうつろな感じ.演技なんだよな,,本人に似せてるんだろうな,,



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