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2023年3月11日土曜日

[映画] Tar/ター


「Tar/ター」


 賞レースで話題,ってことだけ知ってて観る.

 最初から疲れる,,なんかのたとえなのか,スルーしてよいのかわからず,消化ができないまま,そのまま頭において観続ける,,,
 そもそも,最初にスタッフテロップが流れ続ける,,なんじゃこりゃ,,,

 で,長い,,,2時間38分,,

  ただ,,結局,わけがわからないので,緊張感が持続し,トイレも気にならず,,

 ほとんど主人公Tar(Cate Blanchett)の視点なんだよな,,と思っていたら途中からこれ意味あるんやな,と思うように.なもんで,
 Cate Blanchettの存在感は二重の意味でめちゃくちゃあって,『Everything Everywhere All At Once』のMichelle Yeoh よりは,,,と思うが,,どだろね.

 さらにさらに,訳のわからんラストで,これで終わり??? えー?? 



 ==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑

  高名なクラッシックオーケストラの指揮者,Lydia Tar.

 あまりにも傲慢な態度で人が離れていく.



 そして世にその人格が知られることになり,クラッシック界から離れざるを得ず,,,畑違いの音楽で再起を図る.

===


・ラスト

  これ,モンスターハンター(ゲーム)の音楽よね,,つまり,ゲーム音楽のオーケストラの指揮者として出直す,リセットする,ということなんだろ,,

 ワタシはゲームをしないので,モンスターハンターは知らない.けど,あのコスプレした観客席が映り,突然終わり,その後,1,2分のエンドロール?がある.
 そこに"Monster Hunter Orchestra"っていうのが出てくる.それでわかった.あきらかにラスト以前ではそんな状況はなかったから.

・全体

 ということで,,2通りに解釈.

  - 全体として,ラストが絡むなにか,仕掛けのある作品.Tarの一人称視点が多いのでいろんな妄想が入り込んだ,,みたいな.

  - あらすじ,に書いたように,要は,クラシック界でだめになったけど,ゲーム音楽で再起を図る,という話を描いた作品.

 前者であるのかもしれない.けど普通に見れば後者だ.


・取り上げる問題

 組織の中のパワハラ的な犯罪,犯罪を犯した人の作品,業績をどう考えるか,,がやっぱりストレートにくるかな.

 Tarは,ショーペン・ハウエルの肩を持つようだし,あの下宿でのお隣さんたちとのやり取りは,どうもショーペン・ハウエルの話にちなんでいるとしか思えない.(話し声がうるせー,と,暴力を振るった話)

  一昔前なら,男がセクハラして女性が被害者,的なそのままのテンプレートに加害者側に女性を持ってきた,という話.

 なもんで,Tarがおやじくさい(スケベくさい)こと,この上ない.笑

・妄想

  Tar は音に敏感すぎる,のか,聞こえない音が聞こえる,,のか,最初の方から,音が聞こえ続ける.
 メトロノームがなり続けてたり,マーラーの5番のノートがなくなってたり,とそういう物理的なことは説明できないが,,なにか声,音を聞いて訝しげになる,,というシーンが何回もある.

  あれは,,人に対してやましさがあって,罪の意識からのものだろうか,,走っているときに女性の叫び超えが聞こえるのは,まさにそうとしか思えないのだが,,

 聞こえないはずの音が聞こえるって,,こわいことで,まさに,ムンクの叫びのパターンだ.耳をふさいでも音が聞こえ続ける.物理的な音じゃないからだ.脳内の音だから.

 怖い.

・冒頭の機内での様子

 あれ,,結局なに? 関連しそうなシーンは,プライベートジェットで(おそらくOlgaに)撮られたんかな,,と思うけど,,
 その後の朗読会?もOlgaがビデオに撮ってた,,気がするし.

 Olgaは誰とチャットしてたの?

・ラスト再び

  冒頭で,Lydiaは,もともとは,民族音楽?を研究していた,,みたいなことを言ってた.それが,権威の象徴でもあるようなクラシック音楽へと向かっていく.
 頂点を極めるが,,調子に乗ったイカロスが如く,,失墜,,故郷に戻り,Lindaと本名で呼ばれ,自分のオリジンを思い出し,,で,東南アジアに向かったのか,と思って,民族音楽へ,,と思ったら,ゲーム音楽! でも,なんかそういう流れのように思うのよな.

 その前に,マッサージパーラーに行く,と,,そこは明らかに売春宿で(なんで,あのおっさんはTarの性的指向を知っていた?),Olgaのような上目遣いの視線の女性を見て,これまでのことを思い出し,路上で戻してしまう,,,
 あれは,リセット前の,これまでの精算(過去の認識)のように思うのよな,,


 ほとんどの画面,Cate Blanchettばかり映ってるので,まさに彼女の映画,だわ.
  
  しかし,こんな映画,よく制作にGo出したな.


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