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2023年2月13日月曜日

[映画] Babylon/バビロン


「Babylon/バビロン」


  
 

 大阪の中之島に府立の図書館がある.立派な建物で,大昔は,夏休み,学生が勉強しにやってくる(勉強した気になるために来る)ということでよくニュースになっていたところだ.

 一度だけそこで本を借りたことがある.わざわざ司書の方に取り出してもらった本だ.

 タイトルはケンス・アンガーの「ハリウッド・バビロン」.同名の本の翻訳版だ.有名なハリウッドゴシップが詰まった本で,ブラック・ダリアの死体の写真が載ってたりして,インパクト大な本だ.
 いろんな映画のネタになるような話が一杯で,一部の好事家にはたまらん本だ.

  この映画のタイトルから連想するのはその本のタイトルだ.普通に考えて,関連はあるだろな,と.まぁ,そもそも,ケンス・アンガーの本が,ハリウッドをバビロンと見立てている,ということなので,映画も本も直接バビロンから来てるかな.

 Baby alone in babylone はジェーン・バーキンのうた.


  デミアン・チャゼルは,『Whiplash/セッション』,『La La Land/ラ・ラ・ランド』,『First Man/ファーストマン』は観たな,,

  へぇ,『10 Cloverfield Lane』の脚本書いてたのか.コレも観た.


 ==== ネタバレしてるョ (間違ってるかもだけど 笑

パス!

===


・雑談1

  「ハリウッド・バビロン」ネタで行くと,冒頭の,パーティで女性が死んでしまっているところは,Fatty Arbuckleの事件で間違いない.
 
  Fatty Arbuckleはチャップリン映画でよく出てくる巨漢の大男.だいたいは,チャップリンにコケにされる役だったと思うけど,当時は大スターだったとか.
 パーティで女性とよろしく部屋に消えた,と思ったら,,その女性が血まみれで死んでました,という事件.いろんな噂(もう,すごい話がある)が立ったが,ハリウッド・バビロンによると,女性がトイレを我慢していて,あの巨漢が一気に上に乗ったので膀胱が破裂して,亡くなった,,とか,,,
 これって,酷い話だが,噂ほどには,ひどくなかった,,,

・雑談2

  ネリーは,パーティに,大学のアメフト部を連れてくる.ここは,,クララ・ボウのネタかな,と.全体的にネリーはクララ・ボウ("it" girl)が入っているとは思うけど.
  学生時代フットボール部だったジョン・ウェインが相手してもらったとか,,たいがいの本には書いてある.笑 (どんな本ばっかり読んでんだ,,) 

・雑談3

  ネリーが映画館で,ワタシこの映画に出るのよ,,ってくだり,,あらら,完全に『Unce Upon a time in Holywood../ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のセルフパロディか,,と思ったけど,あれって,もともとネタがあるのかしらん,,
 まさか,シャロン・テートにあんなエピソードないよな,,


・雑感1

  デミアンチャゼル,といえば,『La La Land/ラ・ラ・ランド』と『Whiplash/セッション』が印象強いのだけど,どちらも,ラスト数分にやたら盛り上げを持ってくる.ほんとに.

 で,今回もそうだった.『Nuovo Cinema Paradiso/ニュー・シネマ・パラダイス』的なラスト.
 映画が好きな人は,ほとんどと言わなくても,何かしら有名な作品のフラッシュで,ぅぅっと来るものがあるんだと思う.

 マニーは20年くらい前?の狂乱の時を思い返して,うぅっと来るという流れだが,観客も同じような思いになる.
 そこだけでかなり,もっていく,感じがしてしまう.

 マニーは,映画を観ながら,,ふっとうとうとする,,実際に観てるんじゃなくて,あれは夢なんかな.ハリウッドに戻って,当時を思い出してその時の夢をみてる.

・雑感2

  ブラピのジャック・コンラッドはトーキーが出始めるタイミングで人気が落ち始める.台詞回しが下手とか,そんな感じの描かれ方だったが,ゴシップ記者のエリノアは,「理由はない,ただただ,あんたの時代が終わっただけ」みたいな説明をする.

 演技がためなジャック自身のせいじゃない,という優しい慰めのようにも受け取れるやり取りだが,歯に衣着せぬ,何でも言いあった仲,という関係を確認したあとでのエリノアの言葉だったので,,映画の中ではそれが事実「単にあんた時代が終わった」という結論だったのじゃないか,と思う.

 これって怖い.何も理由なく,,スターにとっての生命線,人気がなくなる,ってことだから.バブル中の株みたいなもので,みんなの平均的な気分の上にある栄光,という感じで,めちゃくちゃもろい.

・雑感3  

  映画に詳しい人は,色々なネタが分かって楽しいだろう.ワタシでも結構,知っているものがあった.
 古き良き,というより,いろんな伝説のハリウッドを描いて,ハリウッド人が喜ばないわけがない,,ということかもしれん.
 でも,それが映画の作品としてのポイントになる(なりまくる)ってのはどうなんだろう? (いや,そういう評価なのかどうかしらん)

 つまり,女性の裸ばっかり見せたら,その映画話題になるで,みたいな感じで,邪道というか,いろんな伝説の見せ方のロジックというか,そういうものがないと,なんの映画だったの,ということにならんのだろうか.

 いいバランスでジャック,ネリー,マニーの話が入っていたなぁ,,とは思うし,それぞれネタがあって,全くのフィクションじゃなくて,たどるべき伝説がある,ということではウェルメイドなのかもしれないけど,,
 こういう,映画オタク,評論家には,あーだこーだと説明したくなる要素がいっぱいの映画は,,まぁ,みんな好きだから良いのか,,

 うまくいえないけどなぁ,,
 楽しんだのだけど,映画というものにオタク的な思い入れがない人には響くのだろうか,,観る人を選ぶ映画ってことでよいのだろうか.    

 そういう疑問持ってても最後に持っていかれるのよ.苦笑


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